【就活・業界研究】土木業界・建設業界を知ろう!業界情報のまとめノート
日本の箱ものを作る業界、建築・土木業界。首都高速道路などの高速道路、レインボーブリッジ、ゆりかもめなど、日本を縁の下から支えるものを作っているのは建設業界です。
日本の建設業界は、建設会社とゼネコン、工務店などがあります。 この記事では、ゼネコンとサブコンについてを中心に説明します。工務店やハウスメーカーはあまり説明していないので注意してください。
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業界の分類(ゼネコン・サブコン)
建設業界のゼネコンの場合、ゼネコンと呼ばれる企業が元請け、サブコンが下請けです。必ずしもゼネコンが大企業でサブコンが中小企業ではないことに注意してください。
ゼネコン
ゼネコンは、元請け業者として発注者から工事を受注し、工事全体をとりまとめる建設業者です。全体の設計をゼネコンが行います。大枠を決めたい、設計をやりたい、営業したい、あるいはとび職をしたくないと言う人はゼネコンを受けてください。
サブコン
サブコンは、ゼネコンの下請けとして特定工種の工事を請け負うものです。実際に工事をするのはサブコンです。実際にものをつくりたいという就活生は、サブコンを受けると良いでしょう。ただし下請けはその特性上、ゼネコンより不利な立場に近いです。
サブコンの場合、孫請けになっていないかどうかも注意が必要です。サブコンを受ける場合は、お得意様企業にサブコンが含まれているかどうか確認してください。1次請けのサブコンかどうかの確認は、お得意様にゼネコンがあるかどうか、仕事内容に実際の工事が含まれているかどうかの確認で十分ですが。
建築業界は、下請け構造が存在します。建設業界を受ける際の基礎となるので覚えてください。ゼネコンがわかりやすいですが。
他にも工務店、建設会社があります。今回はゼネコンとサブコンの2種を中心に説明します。ただし、工務店や建設会社は、ゼネコンなどと異なり一般の家を建設するような仕事を行うことがあります。ゼネコンはそういうことはあまりしないので注意。建設業界(ゼネコン・サブコン)の職種一覧
施工管理
設計者が書き上げたものを形にする職種です。
一般にゼネコンが受け持った仕事は、サブコンに仕事を回しますが、現場監督としてサブコンの統括を行うのが施工管理の仕事です。計画的な工事を進めるには、施工管理は重要です。
建物を完成させるべく、建築の工程管理、安全管理、品質管理などを行います。うまくいかないと工期が延びたり予算オーバーになる可能性もあり、管理力が試されます。
設計
設計には大きく分けると、デザイン部分にあたる「意匠設計」、建築物の耐久性の部分に当たる「構造設計」、内部設備に当たる「設備設計」の3種類があります。希望する職種が設計の場合、どの設計を希望したいのかも考えたほうがいいかもしれません。
それでは、3種類の設計についてを簡単に解説します。実際の職種は、これらが混合されていることもあるので注意。
意匠設計
施主や建物の使用者のニーズに合わせて、建物のデザインや形を決めていく仕事です。
建築物のデザインは、法律に従ったうえで、ユーザーの声に耳を傾けて満足いくようにしなければいけません。
たとえば駐車場が必要な場合は、駐車場までたどり着けるようなデザインを考える必要があります。高さ制限がある場合は、高さ制限に合わせて作成します。
クライアントの要望に応えるためには、コミュニケーション力が必要です。また、法令を学習しなければならないと言う面も。
当然ながら、建築物のデザインをするには、建物の美観だけでなく、機能性や工事効率・コストなども考えなければならず、かなり難しいものです。
構造設計
意匠設計が考えたデザインや機能を実現する建物を建てるとしても、安全性は必須です。人が安全に住めなければ話になりません。
構造設計を行う人は、構造計算をして柱や梁、鉄筋の本数を決定し、基礎の形式を定めて構造設計図を作成する仕事を行います。
構造設計は、建築物の耐久性を左右する責任感があります。地味ですが重要な職種です。 希望者が少なく高齢化が進んでいるので、若者にはチャンスです。
もし構造設計者を目指すのであれば、詳細は「構造設計者になろう」をご覧ください。
設備設計
建築物の耐久性やデザインはしっかりしているとしても、たとえば高層ビルにエレベーターがなければそれこそ大問題です。
内部の設備、具体的には電気やガス、水道や空調などの基本的な設備や、快適に利用できるエレベーターやエスカレーターなどの設備の配置位置などを設計し、実際に利用できる建築物にするのが仕事です。
研究開発
地震に強い設計方法の開発や資材の開発など、建築技術の向上や品質の向上を目指す研究職です。建築会社にとって独自の技術は強みです。それらの技術をつくりあげるのが任務です。
参考:職種辞典 - 建設WALKERサブコンの場合、現場監督や施工管理、細部などの設計だけでなく大工やとび職、左官工などの仕事もあります。すべてを紹介することはできないので省略しますが、サブコンは実際に工事を行うこともあります(求人情報を見て判断!)
人手不足!ゼネコンの悲鳴
バブル崩壊後~リーマンショックには土木工事の需要が激減、新卒採用を抑えめにしておりました。建設学科や土木学科を卒業した人でも、建設業界にはいかずに普通のサラリーマンを目指す人がいました。需要と供給が低下する意味で、なんとか暫くはバランスが取れていました。
しかし最近では需要が出てきました。復興支援、オリンピック!さらに悪いことに、現在、ゼネコンの技術者は定年退職を迎えることに。団塊世代の定年退職後は、人手不足はさらに深刻になります。需要は多いのに供給が少ない状態です。
人手不足の建設業界、火を噴く人材争奪戦これから再開発の需要がさらに発生されることが予想されます。現在の人手不足ではとてもではないですが工事が困難です。
建設業界の将来性
今後5~6年は好景気です。東京オリンピックの需要や復興工事などによるインフラ工事があるおかげで、入札競争率は低下し収益も当分は確保できます。都心回帰もあって、住宅は都心であればまだ売ることはできます。
問題はここからで、東京オリンピックの後の不況がやってきます。実際に1968年の五輪でも不況がやってきました。前借してインフラを整えているものですから、その分だけ受注が減少します。
人口減少は無視できません。海外市場への進出が必要です。日本は現在は高い技術力を持っています。ダムや鉄橋などの開発力は世界でもトップクラスです。
まとめ
建築業界は大変です。しかし、自分で設計&建築作業を行ったものが社会を便利にしていくこと。なんと素晴らしいことかと思います。
現在はまだ、建設業界の就活生の需要は少なく、ある意味ではねらい目の業界です。しかも現在人員不足。もし建設業界を希望するのであれば、ぜひ入ってみてはいかがでしょうか。