【就活・業界研究】食品業界を知ろう!業界情報のまとめノート
我々がいつも食べているものを扱う食品業界は、ものすごく身近な存在です。ビールはサッポロビール、チョコレートは明治、知っている企業ばかりだと思います。
食品業界の概観
食品業界は、基本的にはBtoCです。ビジネス関係への食事の販売、原料調達や工場設備の調達などでBtoBが見受けられますが、基本的にはお客さんにものを売る事業です。
原料を加工してお客さんに売るという構造です。原料は、国産の場合はありますが、食料自給率が低いことから、海外頼みが強いです。チョコレートのカカオは、ガーナやコートジボワールなどから輸入するのがほとんどです。
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食品業界の職種分類および仕事内容の概観
食品業界での職種は、企業によって差がありますが、事務系総合職(事務職・企画職・営業職)、研究系、生産系の職種に分類できます。文系の方は事務的総合職のみに、理系の方は事務系総合職だけでなく、研究職や生産職にもつくことになります。
事務系総合職(事務職・企画職・営業職)
事務職・営業職に該当する職種です。企画職(商品開発部)も含まれます。人事や経理なども担当します。いわゆる一般職です。
研究系(理系向き)
食品の研究開発や改良を行います。企画職も含まれます。新しい技術を開発し、新製品を考えたり商品を改良し、できるだけいいものを作っていきます。
既に販売されている製品の研究は、もともとの製品の持つ長所を把握したうえで、削ぐことをせずに味を改良する必要があります。新製品の研究を行う場合は、企画職(文系職)と相談しながらコンセプトを練って、これをベースに研究します。コンセプトを練るのは企画の仕事です。
食品の研究は、基本的には、以下のようになります。食品の成分の配合を考えていろいろな例を多数試して、商品のプロトタイプを作成し、味の検証を行い、評価が十分であれば、製造方法の検討を行い製造(あるいはマイナーチェンジ)に至る、という流れです。
ただし研究職は一般にイメージされているような商品開発に没頭していればいいわけではありません。もし本社から安全性のチェックをしてくださいと言う依頼があればチェックしなければいけません。さまざまな部署から食品の分析依頼が殺到します。その処理もしなければいけません。
研究の過程では、まずい食品を食べると言う作業も。おいしいものを届けるためであればその程度は大したことは無いと思われますが、覚悟しておいてください。
生産系(理系向き)
生産するための機械を設計開発したり、生産数を管理し、設備を保全改良をする業種です。
設備を保全改良をする際、考えなければならないことは多数あります。食品そのものの安全性をどう考えるか、生産効率をどう考えるか、長時間連続生産できるようにするにはどうすればいいか。考えなければいけないことは多数あります。
売上高および年収
食品業界の年収は、安いと言うイメージがあると思います。この記事を作ったときに検索したところ、もしかして検索に「食品給料安い」という記述がありました。しかし実際はどうでしょうか。
食品業界の平均額は、平成26年現在で580万円です。サラリーマンの平均年収、450万くらいと比較すると少し高めです。ただしものすごく高いと言うわけではありません。
食品業界の企業の一部と年収・売上高を、売上高順に提示します。
企業名 | 売上高 | 年収(万) |
日本ハム | 1兆2128億円 | 825 |
明治HD | 1兆1611億円 | 946 |
味の素 | 1兆66億円 | 923 |
山崎製パン | 9950億円 | 563 |
マルハニチロHD | 8637億円 | 719 |
年収が最も高い明治HDでも、目立ってすごく高い平均年収ではないようです。
食品業界が抱える問題
食品は必ず消費されるので、戦争や極度の競争や食糧・エネルギー不足、極度のインフレにならない限りは食品業界自体が完全に崩壊することはないと思われます。ただ、BtoC企業の宿命、人口減少&消費者の目をどう対処するかが問題です。
人口減少のあおりを受けて、業界規模そのものは徐々に縮小していくと予想できます。縮小市場でも利益を出せるような戦略を組むか、まだまだ人口が拡大するとされる海外に活路を求めることが必要とされています。
さらに、異物混入などの問題がクローズアップされるようになりました。安全志向は強まり、100%をお客さんは求めています。安全な食事を届けるためには、特に生産系の従業員はさらなる責任が求められます!
円安になったら原材料となる輸入食材の値段が高まります。そうなると商品の値段を上げないと最低限の利益すらも確保できなくなりますが、商品の値段を上げることはできません。消費者は目に見える値上げだけには敏感です。企業によっては、量を減らすことで利益を確保することもしていますが、これは目に見えない値上げです。
外国の値段や消費者の1ツイートだけで企業が傾きかねません。企業ごとではかなり脆いものです。
食品業界に応募するにあたる注意点
食品業界に応募する際、業界トップの企業は、無策ではまず受からないと考えてもいいかもしれません。有名企業の倍率はとんでもない数値です。他の受験者を追い越すくらいでないといけません。
以下が有名企業の倍率の表です(一部抜粋)
明治HDは倍率、なんと2750倍!1万人の中から4人しか選ばれないと言う、超絶狭き門です。有名企業ばかり受けると言う戦法は悪手です
研究職の方が倍率が低いですが、研究職は基本理系の受け入れです。文系の方は倍率の高い戦場に行くしかないのが難点。学歴が低くて戦えないと感じたら、企業のランクを落とすことが有効な戦術になることもあります。
むすび
食品業界は、研究職は理系の独壇場ですが、文系はそのような場所はありません。食品企業はその特性上、企業の知名度が高いところがほとんどで、狭き門です。大変かもしれませんが、興味があれば食品業界にぜひ就職して、おいしい食品を届けてください。
美味しい食品を届けること、それが食品業界の使命ですから。