【就活・業界研究】玩具業界を知ろう!業界情報のまとめノート
はじめに
玩具業界は、おもちゃ業界と据え置き・携帯ゲームの業界と大きく分けて2種類の業界に分類することができます。さらに細かく分けると、お人形やフィギュア、ミニカーやプラレールといった商品から、大人向けおもちゃ、アイドル関係など、分割すればきりがないですが。そして、それぞれの企業ごとに得意とする、または担当するおもちゃがあります。
本稿では、おもちゃをメインとして扱うことにします。ゲームも一部取り上げますが、ゲーム業界の情報を参照すべきです。
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玩具業界の全体像
基本的にはBtoC、企画会社や海外生産工場(下請け)がある場合など限定的にBtoBはあるものの、お客さんに商品を売ることがふつうです。
客層は、多くは子供です。ゴールデンウィーク、クリスマスの時期にはゲームが売れたりおもちゃが売れたり。お年玉も玩具業界(おもちゃ業界もゲーム業界も)の金回収の時期です。玩具は子供に夢を与えます。再び童心に帰っておもちゃで遊んでみてください。あの時の感覚が感じられるかもしれません。知育おもちゃもあり、子どもの発達を補助することも。
販売経路は、国内と海外が存在します。バンダイのように国内重視の企業から、エポック社のように海外に活路を求める企業も存在します。何を当たり前のことをと思いますよね。でも、そのどちらかをメインにすることによって、企業ごとに将来性の明暗を分けることもあるので注意してください。
企業形態は、大企業が強い力を持っているものの、中小企業もあります。ただ、中小企業の求人は工場機能が中心で、職種と各職種の仕事について
玩具業界と言っても、企画だけではなく、営業や事務、設計などもあります。
ここからは、玩具業界の職種について切り込んでいきます。ここでは企画職のみを説明しますが、どの職種であっても、必要な能力は(職種ごとに固有の能力を除いて)そうは変わりません。
なお、玩具業界、おもちゃ業界、ゲーム業界は、おもちゃやゲームの知識や興味がないとやっていけません。100人に2人くらいの、知識がゼロの人、あと意外と多い、ゲームやおもちゃに差別心を感じる人は、他の業界に行くことを推奨します。
企画職
自分でおもちゃを考えてみたい!そう考えるクリエイター思考のユーザーは、企画職向けです。
しつこいですが、おもちゃで遊んだことがない、ゲームをやらない、そんなまじめすぎる人は、余程頭が柔らかくない限り論外です。さらに、現実のトレンドを知りたくないという不勉強な人には向いていません。
企業によっては、入社直後に企画を求められることも。当然、アイデアがすぐにでも浮かぶタイプの人は向いています。 アイデアを増やすには、頭の固い人もそうでない人も、現代のトレンドを把握する情報収集力が必要。オフィスにいない時でも、企画を練る時間であることは確かです。
机の上で考えてもアイデアが浮かぶとは限りません。休んでいる間にアイデアが浮かぶことも。玩具のネタを、日ごろから集めましょう。
たとえ企画を出せたとしても、採用されるアイデアは300分の2とか、僅か。企画は思いついても、有効な原石はわずかです。採用されるためには、玩具のことを含む幅広い知識が必要です。例えば、スマホの所持率が高まったら、それに連動する商品を考えるなど。
実際の玩具業界のおもちゃの企画書は、こちらで見ることもできます。玩具業界の公開されている数少ない企画書です。
参考:実際に採用された企業の企画書例として、以下のようなことを考えて、いかに楽しめるおもちゃを作らないといけません。
- 対象年齢
- 対象とする性別
- 類似商品・著作権
- 安全性
- デザイン
- 社会の流行・趨勢
クリエイティブな人、頭が柔らかい人、中二病、ゲームやおもちゃの知識がある程度ある人、勉強家は向いています。逆に、アイデアを出すのが苦手、心が弱い、頭が固く常識以外の思考ができない人、子供嫌い、勉強しない人は不向きです。
その他の職種
その他、営業職やデザインなどの職種もあります。営業企画など、混合形態の場合も。この2つについては、企画職と同様に、玩具のことについて知る必要があります。
玩具業界の1日の例
玩具業界の花形、企画についての1日を取り上げます。 引用:平成若者仕事図鑑ここからわかるように、会議や打ち合わせがあるなどで、机に向かって企画などずっとできるわけではありません。これは玩具業界だけでなく、どの業界でもいえることですが。
全体的には激務気味です。企画書を考え、試作品をチェックし、いろいろ考えただけで時間がありません。
企業例(ランキング形式で上から掲載)
ソニー…ゲーム事業。パソコンやスマホなどの印象も強いが、実はPS4などがある。
任天堂…マリオなどの強力な版権、3DSなどの端末を独占して販売。ブランドイメージがいい。
バンダイナムコホールディングス…この企業は2社の合併。雰囲気については下を参照。
バンダイ…かつて、おもちゃといえばバンダイであった。体育会系、昔の企業型、保守。
ナムコ…太鼓の達人、アイドルマスター。アーケードゲームや携帯ゲーム、据え置きゲーム。ゲーム業界に分類すべき
コナミ…音ゲーや遊戯王など。社風はいろんな意味で調べるに値する。
タカラトミー…ファンが多い。社員もファンが多く、仕事のスピードが速い。離職率が低い。
スクエニ…ドラゴンクエストで有名。スマホゲーム業界にも手を出しつつある。
エポック社…シルバニア、野球盤の会社。海外(日本含め47国)にも活路を求めているため、語学力必須。扱うおもちゃは主に女児向けが多い。グローバル視点。
玩具業界は、どの企業も「玩具を生産販売する」ことがわかります。玩具業界の分類は本音で言えば非常に難しく、おもちゃとゲームの区別といったおおまかな分類くらいしかなく(しかも混ざっている!)、企業ごとの商品や風土の差異のほうが大きいので、企業の生産商品や風土を良く調べるようにしましょう。
売上高、平均年収
玩具業界の売り上げは、以下のようなグラフになっています。ただし、職種ごとに給料に差があります。
(出典:日本玩具協会) 現在では頭打ち~減少傾向に入りつつありましたが、少し元気を取り戻したようです。2014年のように、人気商品はひと段落しましたが、定番商品やカードゲームの売り上げが伸びたことから、玩具全般から見るとやや減少です。 各企業ごとの売り上げは、以下のようになっています。1位から順に発表します。企業名 | 売上 |
ソニー | 1兆2921億円 |
バンダイナムコHD | 5654億円 |
任天堂 | 5497億円 |
セガ | 3549億円 |
コナミ | 2181億円 |
ハピネット | 2172億円 |
スクウェア・エニックス | 1678億円 |
タカラトミー | 1499億円 |
玩具業界のやりがい
自分の企画担当した商品が店頭に置かれた、売れたとき
おもちゃで遊んで楽しそうにしている子供を見たとき
上記の場合にやりがいを感じることが多いです。
玩具業界の将来性
玩具業界の将来性は、少なくとも国内ではあまり明るいとはいえません。玩具、おもちゃやゲームの主な購買層は「子供」。ゲームもまだまだ世間では子供がやっているものという目も強く、実際にやるのも子供。おもちゃ業界も、ゲーム業界も、大変そうです。
グラフで見た通り、子どもの数そのものが減少しているので、かなりつらい戦いを強いられるかもしれません。世界と言う活路を広げなければ、今後はやっていけないでしょう。
さらに、スマホゲームの台頭で、据え置きゲームも携帯ゲームも苦境です。ユーザーの多くがスマホの手軽にできるゲームになだれ込み(ポケモンGOなど)、無料ですらないゲームは買われなくなるかもしれません。スマホ対策も必要な課題です。スマホ業界に入るのも手段です。おもちゃ業界の場合は、どうスマホと共存するかも考え物です。
スマホのゲームが台頭しているため、特に携帯ゲーム業界は苦境
人口減少・少子化、高齢化による需要の減少での、おもちゃ業界の暗い未来
海外に進出すれば、まだ子供の割合は多く、人口爆発している国もあるなど、市場はまだまだ大きい。日本より海外に販路を広げないとと考えます。子供以外を対象としておもちゃを売るのも手段です。
総括
海外など、別の市場に活路を向けないと、数十年後には玩具企業は潰れてしまいます。もし「クリエイティブ」「新しい市場を開拓できる、自由な発想の人材」であるならば、玩具業界を目指してみてはいかがですか。向いていますよ!
子供が喜ぶおもちゃをぜひ作り、販売してください!